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「出版ERP」システム  「資材原価管理システム」
株式会社 平凡社 様 (文化通信bBB 2008/1/28掲載)
■株式会社 平凡社
所在地      東京都文京区白山 2-29-4 泉白山ビル
電 話      03-3818-0873(代表)
URL        http://www.heibonsha.co.jp/
編集局出版部出版課・山本俊雄氏
 
■メインフレームからクライアントサーバーに
 それまで同社は70年代に導入したメインフレームのシステムで印刷・製本の発注や請求処理を管理してきたが、容量の問題などがあって用紙の全銘柄が登録できなかったり、用紙や取引先などの名前を全文登録できなかったなどの制限があった。 また、工程の概念がないことも問題だった。
 当時のシステムはほとんど自社開発していたが、プログラムが書かれてから時間が経っており、ブラックボックス化していて修正も難しくなっていたことから、システム全体を入れ替えるという方針を出していた。
 「それまでのプログラムはコボルで書かれていました。2000年問題のときに問題になりそうなプログラムを解析しましたが、よく分からず処理結果から類推するしかありませんでした」と新システム導入を担当した編集局出版部出版課・山本俊雄氏は話す。
■パッケージ無く、用語の定義から
 クライアントサーバーへの切り替えを決めて、システムを検討したが、2001年当時は出版社の業務に特化した資材原価管理のパッケージソフトはなく、あったとしてもトータルシステムの一部だったり、高額だったりと、同社が求めるシステムはなかなか見つからなかった。
 そうした同社が選んだシステム会社は光和コンピューターだった。しかし、同社も当時はパッケージを発売しておらず、システムの開発から着手。当時は用語の定義から始め、仕様書を作るのに1年かかったという。
 その後、光和コンピューターは出版社の資材管理パッケージを発売したが、固い書籍が多い平凡社で使うためにはカスタマイズも必要だった。
■全体の97~98%をシステムで
 「まず上製本の比率が高く、巻物のクロスを使うといったことがありました。また、当社では用紙・印刷・製本を一括して印刷会社に発注するのではなく、スリップや帯といった付き物を専門の印刷会社発注にしたり、表面加工や製本は直接、加工・製本業者に発注しています」(山本氏)という特殊性があったからだ。
 こうした作業工程をシステムに落とし込んでいき、最終的には「全業務の97~98%」をシステムで処理するようにした。複数の出版物用に使う地図などを一括制作して在庫しておくといった特殊な管理は無理にシステムに組み込まず、手作業として残した。
■見積もりから実績処理まで
 システムは、まず企画段階で判型、部数、ページ数、製本方法、用紙、印刷会社などを入力すると原価を算出する「見積もり」、そして決定した企画を実際に発注するための「製本・発注・指定書」、「注文書・発行済修正」、そして印刷会社や製本会社からの請求書の数値を入力して「実績」を管理する。
■新しく可能になったこと
 平凡社では同時期に経理などのシステムを新規に開発中だが、それらに対してより精度の高いデータを供給することが可能になった。たとえば、付けあわせで製作する帯など付き物の費用も、簡易な方法で対象となる書籍ごとに費用を配分でき、単品ごとの製造費用が以前より明確に把握できるようになった。
 以前のシステムに比べ、すべての面で使い勝手が格段に向上し、運用を改良したこととあいまって、発注に関する知識は当然必要なものの、システムにさほど熟練しなくとも操作できるようになった。
 従来のシステムではまったくなかった過去の発注データを検索する機能も豊富である。旧システムの発注データが膨大にあり、新システムに移行できなかったため、現時点ではメリットは少ないが近い将来は便利になると期待される。
 将来のペーパーレス化を見越して、帳票はすべてPDFファイルでいったん出力し、必要に応じてプリントするようにしている。従来は紙のファイルを本ごとにファイリングキャビネットで保管していたが、誤った場所に入れてしまうと探すことは困難だった(なお、紙によるファイリングも当面は続ける)。PDFファイル化に伴い帳票類の検索も容易になった。いくつかの発注先にはPDFをEメールに添付して送っており、迅速な処理が可能となった。
 なお、新システムでは入力する要素が旧システムに比べ増えており、将来には省力化が期待できるものの、当面でいえばトータルの処理時間が大幅に減少しているわけではない。
 
■見積もりから実績管理まで処理できるメニュー画面
 
 
■部数、製本方法、判型、用紙などを指定することで自動的に原価計算する
 
 
■請求書入力の手間が大幅に軽減された用紙実績入力画面
 

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