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第25回光和出版セミナー
『電子化時代における書店の活性化』
(文化通信bBB 2011/12/26 掲載)
■第25回光和出版セミナー
 光和コンピューターは12月16日、東京・新宿区の出版クラブ会館で、日本出版インフラセンター(JOP)と出版倉庫流通協議会の講演による第25回光和出版セミナー「電子化時代における書店の活性化」を開催した。経済産業省の委託を受けてJOPが取り組んでいる事業「フュ-チャー・ブックストア・フォーラム(FBF)」の一環として企画されたもので、同事業の内容なども報告された。
   
   
■FBFの概要を説明
 セミナーでは、文化通信社・星野渉編集長が「電子化時代における書店の活性化」、紀伊國屋書店情報システム部・野田透部長が「出版社とのEDI取引の現状と今後の考え方」、JOP・永井祥一専務理事が「近刊情報センター構想について」、光和コンピューター・松本昭典氏が「近刊情報予約サイトシステムについて」、出版倉庫流通協議会・高久田布人氏(主婦の友図書)が「出版共同ネット構想について」のテーマで話した。
 星野編集長は、FBFでは調査事業として「消費者利用意向調査」、「海外調査(ドイツ)」、実証実験として「店頭試し読み実証実験」、「近刊情報提供実証実験」、「オンデマンド印刷実証実験」、「ブックレビューサービス実証実験」、研究事業として「書店注文環境整備研究」、「書店ビジョン研究」、「新業態研究」が行われており、来年2月末までに報告書をまとめると説明。
 また、今年6月にドイツの出版業界団体がまとめた2025年の書籍市場・業界の予測「55のテーゼ」を示し、業界全体で危機感を共有する必要性を指摘。FBFの調査で訪問したドイツ出版業界の事例に触れながら、今後、日本でも「委託配本制度」が見直しされ、返品を前提としない取引が増える可能性がある中で、出版社の流通や営業にかかるコストが増加するとの見方を示し、書籍の価格を現在の水準に維持できるかが課題になると述べた。
   
■紀伊國屋書店のEDIグーグルコマースサーチを導入
 野田部長は紀伊國屋書店の現状を説明して「現在、国内外の全ての店がネットワーク化され、単品管理が行われている。EDI、ITは欠かせない」と述べ、2009年に導入したポイントカードによって収集した購入履歴を利用したターゲットメール配信なども効果を上げていると報告。
 また、電子書籍事業やギフトカード事業に力を入れ、来年は店頭端末として光和コンピューターの「ピットスポット」をカスタマイズして200台導入し、ポイントの残高照会やサイネージによる広告配信などを行うと述べた。
 EDIについては、20年前にトーハンとの間で書籍データ、在庫データ、発注データのやり取りから始まった流れを説明し、その後、取引各社、洋書業者、海外業者などに拡大。商品マスタは累計で450~500万件、洋書は600万件程度に増加。ネットワークも複雑化して、①90種類の連携があり、方式が統一されていない②新規連携のコストが増加③運用の可視化が困難になったーーーことから、「Google Commerce Search(グーグルコマースサーチ)を導入したと述べた。
 12月以降にBookWebで活用を開始。書誌マスタをグーグルのデータセンターに登録したことで、グーグルのレスポンス、自動スペルチェック、検索順位アルゴリズム、オートコンプリート、シノニム機能などを利用出来るようになり、「1000万件を超える書誌データには相当のディスク容量が必要だが、そういうことを考えなくてもよい。また、高額の検索システムを購入する必要もない」と効果を説明。
 今後、各ECサービスの書誌マスタについて、検索はグーグルを共通基盤として利用するとし、海外店舗の会員マスタはCRMが可能なセールスフォース・コムを導入し、国内でも活用していく考えを示した。
 そして今後のEDIについて「これまでのように出版社、取次、書店の間でデータを動かすのではなく、クラウドによってリアルタイムにデータを共有するようになることを容易に想像できる」と述べた。
   
   
■近刊情報センター「対応を誤らないよう早く参加を」
 永井専務理事は、今年春に正式スタートした「近刊情報センター」について説明。情報を登録する出版社と受け取る書店などのメリットとして「商品基本情報センターや各取次などへの近刊情報登録がワンストップで出来ることを目指している。また、受け手も一ヵ所で情報を入手でき、送受信コストが削減できる」と説明。
 また、同センターが設立された背景について「業界の要請があった。返品率減少を本気で考えないと、業界全体がやっていけない状態」と述べ、日本出版販売が昨年度、書籍返品率を大幅に削減したことに触れ、「今後、取次の施策に残された出版社は厳しくなる。これからの対応を誤らないよう、早く参加してほしい」と訴えた。
 今後の取引制度については、「買切制への移行が書店の活性化、自立化に結びつく。書店は近刊情報を得ることで、自店の顧客に合った本を仕入れることができる」と指摘。出版社にとっては事前受注が増加するだろうと見通しを示した。
 さらに、同センター・浴野英生センター次長が登壇し、参加をためらう出版社の多くが、社内で仕事の仕組みを変えることの困難さをあげる点に触れ、「いきなりコストをかけてシステム構築するのではなく、まずはトライアルのつもりでウェブで登録を始めて欲しい。その結果を基に社内でコンセンサスを得るのが良いと思う」と述べた。
 このあと、光和コンピューターが提供する近刊情報登録サイトについて、松本氏が説明した。
■出版共同ネットの活用を
 高久田氏は、出版倉庫流通協議会が進める「出版共同ネット」について説明。現在、93社が利用していると報告し、「書誌情報と在庫情報を開示することで、365日、最低限、書店が発注できる」と説明。積極的な参加を訴えた。
 また、同協議会が参加しているFBF書店注文環境整備研究ワーキンググループが実施している出版社向けアンケートへの回答を呼びかけた。

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