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 構造的不況下の出版経営改革のため、弊社で開発した「出版ERPシステム」を実際にお使いいただいている出版社の方々にシステム活用の有効性をお聞きするセミナー(出版システム活用の実際)を開催しました。
 そのときの対談内容を掲載させていただきます。配布資料を参考にご覧ください。
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   対談内容はこちら  
 
 

 セミナー風景
開催日 平成21年11月18日(水)
時間 午後1:30~4:30(受付開始 午後1時~)
定員 50名
会場 日本出版クラブ会館
東京都新宿区袋町6(tel:03-3267-6111 )


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  弊社 専務取締役 寺川光男  幻冬舎 執行役員 花立融様   

 (ご参考)文化通信社の掲載記事はこちら
2004年12月27日掲載
 
   商号     株式会社 幻冬舎 (GENTOSHA INC.)
   設立     1993年11月12日
   本社所在地  〒151-0051 東京都渋谷区千駄ケ谷四丁目9番7号
   代表者    代表取締役社長 見城 徹
   資本金    335,910 千円
   事業の内容  書籍・雑誌の発行及び販売業務
   従業員数   77名(平成21年9月30日現在)
   2001年10月 株式会社 幻冬舎コミックス設立
   2003年 1月 ジャスダック証券取引所に株式上場
   2004年 9月 株式会社 幻冬舎ルネッサンス設立
   2005年 1月 株式会社 幻冬舎エデュケーション設立(事業開始 2008年7月)
   2005年 6月 株式会社 幻冬舎メディアコンサルティング設立

寺川  日ごろは皆様に大変お世話になっております。弊社は、多くの版元さん書店さんからご指導を頂きながらシステムをご提供させて頂いている会社です。
 ご存知の通り、幻冬舎様は1993年に設立し、郷ひろみさんの「ダディ」などセンセーショナルな形でミリオンセラーを出され、2003年1月には上場もされました。弊社とお付き合いいただいたのは、その1年ほど前の2002年の4月にシステムのリニューアルを検討されているということでお話を頂き提案をさせていただいた次第です。
 当初、上場までに出版ERPを立ち上げようとのことで、実質8ヶ月という短期間で販売系、原価系を含めた出版ERPシステムを提供させて頂きました。その時の印象ですが、花立役員も当時30代後半で制作の担当の現役員の方、また総務系の現執行役員の方、みなさん40歳前後のお若い方々で、幻冬舎様の創業のパワーを作り上げているという印象を受けました。このパワーが8ヶ月という短期間で出版統合システムを導入出来た要因だと感謝しております。
 2002年の12月16日に販売系システムが稼動し、出版ERPシステムの稼動につながりました。その後、幻冬舎ルネッサンスを自費出版会社として設立され、また、幻冬舎メディアコンサルティングを企業系出版会社として設立、その後、幻冬舎エデュケーションを教育系出版として設立され、上場された以降も各分野でご活躍されております。 参照
 花立さん、会社を立ち上げられ10年弱で上場されるにあたり、社内での議論や意見などその様子をお聞かせください。
花立  上場する5年ほど前の98年4月に先ほど寺川専務からも冒頭で紹介があった、郷ひろみさんの「ダディ」を初版50万部でスタートし、さらに1週間で累計100万部作りました。いろいろセンセーショナルな打ち出し方をしたので、多くのマスコミにも取り上げられ、本はもちろん会社の名前も広がるきっかけになった作品だったと思います。
 当時、現場の編集者は上場するのなら、こういう本は出せなくなるかもしれないとか、自由が利かなくなるかもしれないとか、かなり後ろ向きな意見が飛び交っていましたが上場して思うのですが、そんなことは一切なく、上場前同様やりたい事はできて、逆に管理体制もしっかりしたので良くなったのではと思います。
寺川  上場されますと出版社さんの個性がなくなるということが一般的にいわれることだと思うのですが、お付き合いさせて頂いている限り、幻冬舎様は上場後も自由にどんどんチャレンジされて今日に至っているのかなと思っております。
 直近のトピックということで、聞かさせて頂きましたが、「バンド一本でやせる!巻くだけダイエット」は9月にTBSの番組で放映されたことをきっかけに、11月17日現在、60.2万部(2010年6月21日現在172.2万部)と成功を収められてます。制作過程も初版の後、6月、7月に重版し、8月も2度、9月も3度し、10月も重版されてくるということで、直近売れたプロモーションの経緯といいますとどのようなことでしょうか。 参照
花立  当社のスローガンとして、『作る知らしめる売る』というのがあり、知らしめてより強く売っていこうという社長の考えが大きくあります。創業以来、強力な作家陣の作品群があり宣伝戦略がうまくいく中、なにかしら営業発のベストセラーなるものを作っていくことが僕らの重要なミッションでもあると考え日々活動しております。「バンド一本でやせる!巻くだけダイエット」は店売力という力を借りて成功に至った作品の一つだと思っています。初めての出版となる著者の山本千尋さんは、あたりまえですが本の世界では無名の著者、その著者の作品を売っていくのはそんなに簡単なことではないと思っていました。
 プロモーションを営業の部分でどう考えていくかという中でやっぱり、新聞広告、テレビのパブリシティとかいう以前に店頭でにぎやかすことが一番大事だと思っていたので店頭で大きく展開していただくためのお願いをするところから始めます。まずいろんな書店さんにプレゼンする中、MPDさんの現場の方が強い関心を示して頂いたので、初版を当初計画の倍の1.5万部にし、うち5千部をMPDさんに搬入し拡販していただくということでスタートしました。
 当初売れ残ったらどうしようと少し心配しましたが、まったくのノーパブリシティでMPDさんで1日100冊平均で売れていました。これは手ごたえがあるなと。これを広げていくことで他のナショナル系の書店さんに実績をPRし、点作りから線にしようということで活動しました。発売から3ヶ月で7万部にもっていけていました。その後「中居正広の金曜日のスマたちへ(TBS)」の放送があり、それはもう凄い売れ方でした。「ダディ」を飛び越えるくらいの初速だったんじゃないですかね。
 どのくらいすごかったかというと、放送開始の21時から21時半に2部構成でやっていて、1部が巻くだけダイエットをやって2部は別のコーナーでしたが…。1部のコーナーが終わってすぐに文教堂さんのリアルPOSで、クリックするごとに30冊づつ増えている。テレビを見て近所の本屋さんに本を買いに走っている状況がうかがえ、スピード感を感じる強烈なパブリシティでした。ちなみにMPDさんは、その日の夜だけで2940冊ぐらい売れたかと。  
 ただ歯痒かったのは付録でピンクのバンドが付いているのですが、当初は中国での生産のため1週間で1万本ぐらいしか製作出来ずに悔しい思いをしました。今は中国の生産ラインを増やしてなんとか1週間で10万本規模の製作ができている状態です。
 このように、ヒット作品が出来上がる過程で書店店頭の力をかりて拡販でき、それが発火点となり、さらに売れて行った事は営業の仕事としても上手くいった作品だと思っています。
寺川  日販さんTSUTAYAさん系のMPDとのお付き合いですが、この「~巻くだけダイエット」はMPDさんとのコラボレーションというところを冒頭から意識されたということでしょうか。
花立  そうですね。こちらの押しも大事ですが、あちらに共感していただくことが一番重要だと思いましたし、客層に上手くはまって欲しいという思いもありましたから。
寺川  一方では、「どうぶつしょうぎ」、「ホワイトバンド」など、いわゆる書籍以外のものでヒットされているものもあると思いますが、たとえば、「どうぶつしょうぎ」でいいますと、取次ルートでだされているのでしょうか。
花立  そうですね、取次ルート(書店)で出しているものが6割、4割が玩具ルートという感じですかね。
寺川  たとえば、「ホワイトバンド」の場合は書店さんと直で取引されたのでしょうか。
花立  「ホワイトバンド」は買い付け商品であり安価だったので、書店さんと直でやらないと、利益がない、やむを得ず直でやろうと考えた商品です。
寺川  現在、幻冬舎様でお使い頂いているシステム概念図を書かせて頂きました。販売管理系でいうと、取次ルートあるいは直販関係、あとWEB受注とその連動、定期購読、それに書店の実売分析などです。原価系でいうと、印税原稿料支払管理システム、そして原価管理ということになりますが、ERPの概念として基本的にマスタ(DB)を一元化することにより各サブシステム間でデータが連携するシステムをご提供させて頂いております。 参照
 当然ですがサーバ内でDBの一元化とサブシステム間のデータ連携を図っております。そうすることで、版元さんの各部局(営業、経理、制作)で情報を共有化し、同じデータにもとづく会話ができるというコンセプトでシステムをご提供させて頂きました。 参照
 今回、大きく分けて3つのシステムのポイントをご案内させて頂きます。
 ひとつは「指定配本管理」、版元さんの指定配本をどのようにして取次さんに理解していただくか。
 もう一点は、「原価管理」ということで、直接製造原価、一般管売費など含めて、どういった形で原価管理をされて価格決定や初版の部数決定をされているのか。
 最後に「予算管理」ということで、経営的にどのような形で社内における予算を持ち、どのような管理をされているか。
 この3点についてお話を伺いたいと思います。 参照
 まず、「指定配本管理」ですが、売上実績のデータ(POSデータ)、これにもとづく、店舗別ジャンル別ランク別指定配本ということになります。ジャンル別で言うと、単行本、文庫、新書、実用書、コミック、そしてマルチメディアというジャンルになろうかと思います。幻冬舎様は特約店制度を作られていて、現在150法人4500店舗とお聞きしていますが、それは全体における売上占有率はいくらぐらいでしょうか。 参照
花立  ジャンルによって多少前後はありますが70~80%位でしょうか。70~80%が特約法人、POSデータ提供店がさらに10%あるので80%を指定配本の括りにしています。残りの20%を取次さんに任せるという感じです。
 たとえば、1万部の本を作ったとしたら、ざっくりいうと8千部は指定配本にして、2千部を取次さんに渡します。その根拠は8割はデータが取れていて、実績と実力が分かっているので、うちでやらせてほしい。残りのデータは取次さんが把握している範囲の中でお願いしたい。そういう理屈でやっている感じです。
寺川  当然、初版重版も含めて指定配本されているのですよね。
花立 そうです。重版においてもデータに基づいたパターン配本を行ってます。たとえば1万部の重版をした際には4%チェーンには400冊がグロスで配本されるしくみになってます。
寺川  取次さんも、なかなか版元さんの指定配本どおりに配本していただくことが難しいという事は良くお聞きするのですが、花立役員ご自身で実売情報や返品率など数字で示して取次さんに納得していただいたのでしょうか。
花立  はじめは、実績も何もないので、そんなこと理想論だと怒られました。とにかく1年だけやらせて欲しいとやってみたところ返品率も下がったものですから。
寺川  指定配本をされていく、ルーチン流れを書かさせて頂いております。
 まず、「データ収集」これはPOSデータですね、DCSさんより月次で書店別、商品別売上実績のデータを収集し、そのあと「実績管理」で書店や書店チェーン、あるいは商品、ジャンルなどを軸に、いろいろな角度から実績を把握できるシステムになっております。これに基づいて、「配本ランク判定」や「ランク調整」をする流れになっています。これらのステップは1年間のサイクルでどのような流れになっているのでしょう。 参照
花立  当社は3月が決算なので3月に売上やPOSが締まります。実際数字が固まるのは5月、その間いろいろな帳票を出して5人の営業マンが先ほどの150の書店チェーンの窓口に行って、前期はこういう結果になりましたと、今期はこれくらいの目標でお願いします、という来期の共有目標の設定を確認しあいます。その上でその目標達成の為の配本ランクの設定を先方のご担当と行います。 前期の実績がこういうことなので、今期の配本ランクはこういう形になります。という案を出し、先方からは新規店なのでもう少し実力があるのでとか、ここは競合店が退店したのでもう少しランクアップをとかの要望を受けたりして折衝します。新しいランクの稼動は10月ぐらいから適用しています。
寺川  ここでいう、「ランク調整」は、データと様々な要因を考慮し決定するという事ですね。
花立  機械的にランク付けするのもひとつの方法でしょうが、書店さんとの交渉も考慮してやっています。
寺川  こういう形で、版元さんと書店さんの間での数字を軸にしたいろいろなお話し合いというのはできるようになってくると思うのですが、書店さんのところでベストセラー以外のいろいろな書籍の拡販をしていることでのプロモーションとか、この数年で結ばれてきたとお聞きしていますが。
花立 ベストセラーがあるというのは強い武器だなと痛感しています。そのうえでグロスで文庫のスペースを!とか新書の拡販を!という話をして行くのが営業として一番やりやすい。一方、大型商品には配本やプロモーションや拡販などさまざまな細かい作業がついてまわり、書店さんや取次さんにも「この作品はどうなるの?」と質問を受けます。そこで新刊については3種類ぐらい作品の傾向に分けて拡販にむけた提案をしています。
 一つめは文芸作品が多いのですが初版から5万、10万部作る商品、確実に売れる商品。これは過不足なく配本し、実売率をよくみながら重版を積み上げていく。
 二つめは、もしかしたら売れるかもしれない、パブリシティが加わることによって大きな拡販ができるかもしれない。いわるゆるタレント物だったり、テレビの企画物だったりという商品。
 三つめは、書店店頭発と位置付けて考えていて、著名作家の作品のような広告も打つことができない、パブリシティも簡単にはできない、ただ作品には力があるので、なんとか書店店頭で!と書店さんの力を借りる商品。と、それぞれに合わせたやりとりを行ってます。
 「償い」という文庫が拡販する前までは初版の2万部だけだったものが、一昨年と去年の2年で60万部重版できました。これは2003年に出していた既刊本で、新宿の福家書店サブナード店さんや、紀伊國屋新宿本店さんが面白いからこれは展開するよ!と拡販してもらい結果も出て、実績も出て全国規模に拡販出来ていきました。チェーン店さんにアプローチするのであれば、このようなものを一つひとつ作っていただいた上でそれからグロスでどうしよう、このジャンルをどうしようという話をしていっているのが今の活動が基本です。
寺川  書店さんとの実売の分析、あるいは指定配本を進めながら書店とのプロモーションが進んでいくという事ですね。
花立  そうです。
寺川  具体的に「指定配本管理」ということで、こちらに「グループ別集計表」、を載せて頂きました。どのような形で使われているかいかがでしょう。 参照
花立  「次期ランク保守」は書店さんごとに、単行本、文庫、新書、実用書、という4つのジャンルに分け、評価冊数、現ランク、提案ランクを表したものです。4500店舗もあるので手作業でやっていると本当に大変なので、光和さんに開発頂き自動計算できるようになりました。実績データからフォーマットに落とすところまでやっていただいたのでランク決定も作業的に簡単になっています。
 次の「配本表」は、たとえば前期570万冊単行本が売れた、その中で、5700冊以上実績を残している書店さん、これを1ランクに相当する、この店は0.1%(占有)の実力がある書店さんだという位置付けの中で、10万冊本を作った場合に、配本数が0.1%に当る100冊を配本すべきだと、逆に100冊は売ってもらわなくちゃいけない店舗だということで作ったのがこの配本表です。 参照
寺川  次に「原価管理」ですが、「制作別予実管理のシュミレーションシステム」を導入させて頂いております。当然ながら、企画があり、その企画が決済され、紙、印刷、製本、の発注がなされ、また、それが直接製造原価として請求書が来て計上されていく流れです。この流れの中で、「予算稟議書」を使って頂いております。これは、制作部門が作られるのですか。 参照
花立  そうですね。自分が作ろうとしている本に熱が入るのは当然ですが、どうしても本作りに時間と労力、それ以外にもお金がかかってしまうことが、特に若い編集者などにはありがちなので大体、売上のこのぐらいが原価になってるんだよと。ある程度の相場感を分かってもらいたいので、このような表を作りました。原価意識のない人は熱意のあまりお金を使いすぎてしまう人がいます。そこを規制する意味でもやっています。
寺川  実売部数を想定すると損益分岐点が計算される仕組みなんですね。また、直接製造原価を中心に予算を入れる、やはり歯止めとして直接製造原価率を何%ぐらいにするか、なおかつ損益分岐冊数はこれくらいだとか、制作部門が意識をすると言うことですかね。
花立  そうですね。
寺川  「予算稟議」というものがありますが、これに対してこの予算を策定した直接製造原価に実際に紙屋さんなどからきた請求書が全部紐付けされて、この予算に対して実績はどうだったか、というものも全社的にみれる仕組みになっています。一方で「部数決定」は、参考データ(出版社、タイトル、著書、刊行年月、本体価格、印刷、在庫、)は版元さんの類似本の実績を参考にされているとの事、この辺のデータを収集する秘訣はいかがでしょうか。 参照
花立  トレンドをわかっていなければいけないというのと、他社がこれだけ売っているのなら自社でこれぐらいやらなければいけない。当然考えなくてはいけないことであって、作家さんはどうしても他の出版社と比較して考えられるので、他社でどうのようにやっているかを教えてもらえる範囲で聞いている。ただ最近は本当にPOSデータが進化し風通しがよくなっているので、そこからおおよそ刷り部数を類推できるようになったのは、楽になりました。
寺川  「部数決定会議」には、営業の方、制作の方、編集の方、それぞれ参加されているのですよね。その中で、最終決定する部署とか決定権者はいらっしゃるのでしょうか、 参照
花立 編集局、出版局、営業局のそれぞれの意見を聞いて、最終決定は社長がします。
寺川  「部数決定資料」はどうのように使われていますか。 参照 
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花立  何処の出版社もやられていると思いますが、出版するにあたって、大体の総売上がでてきますよね。本体×部数×正味金額、そこに歩留りで売上金額がかたまり、そこから作るための製造原価と販売するための販売管理費を差し引いていくら残るか、それを部数決定をする際に価格と数を決めるうえでグロス感を持ってこうなりますと事前に分かるような資料です。
寺川  最終的には、営業利益率を具体的にどのような形で設定するかという事ですかね。そのあと、「原価計算書」という形で、直接製造原価に対して予算はどうだったか、それに対する超過率、稟議段階のところから実データが入った内容を誰でもが見れる仕組みになっています。あと、「予算管理」ということで、新刊に関する出荷売上、重版での出荷売上はどう、再出荷売上、創業時からこのような予算の立て方をしておられたと思うのですが。 参照
花立  創業時は予算も何もなかったものですから、とにかく、120%の売上を目指してやっていました。ただ上場の話が出て、当たり前ですが、去年どうだったから今年どうしようという考え方が必要になってきました。たとえば、去年ミリオンセラーが出て売上が50億だったとして、今年も50億以上を目指さなくてはならないが、郷ひろみの本が今年も出るとは予想できないし、「13歳のハローワーク」が毎年あるとはかぎらない。では、50億の売上を立てるために、どういう出荷カテゴリーの中でそれぞれ売上を作っていくか、というところを毎年編集者と話し合います。
既刊で売れるものはこれくらいあるだろう、新刊の重版は出してみないとわからない、それをやる上で新聞広告、テレビのパブリシテイをどうするか戦略的にやっていく、期初に編集と話をして予算を決めます。新刊、新刊の重版、既刊の重版、再出荷などに分けて予算立てをしています。
寺川  それが「予算管理表」ということで、このようなカテゴリー別に書名ごとに設定し予算金額を決めるという事ですね、これらのカテゴリー別実績はいつでも見られるシステムです。ネット書店さんとのお付き合いはどうされていますか。 参照 
参照
花立  当初、ネット書店さんは取次さんからのアプローチがほとんどでした。実績に応じた配本をしたいということがあったのですが、いろいろな事情で教えて頂けない部分があったので、過不足ない供給ができていなかったと思います。最近はうまくやり取りができ始めていますが環境もかなり変わってきましたし、より良い握りが出来ていると思います。
寺川  ありがとうございました。ご質問がありましたらお受けいたします。
質問1  P-NETで月次でとの話があったと思いますが、文芸書とかで初速を見て、月次データが出る前に判断する事はいかがでしょうか。
花立  P-NETで月次データでは、正直あまり重版の参考にはしてません。初速の早い段階での重版をしょうという参考データは、紀伊國屋さんのPUBLINE、文教堂さんのBigNET、日販さんのトリプルウインなどで行っています。独自の計算式に基づいて重版予測をたて判断しております。
 P-NETは特約法人に実績を提出するうえで、各単店、法人の販売力の把握と次期配本ランク設定のために多く活用しております。
質問2  ランク分けに返品率は加味されていますか。
花立  厳密にはできていません。ただここは一番大事なところで常に気を使ってやってます。いきなり返品率を2%3%下げるのは至難の業で、単に出荷数を減らせば返品率が減るかというと、決してそういうわけでなく、どうやって返品率を下げるかはあたりまえですが、いい本を作って供給を間違えなくすればいいと思います。
 そんな良くした中で、企画内容と出荷数を分析した上で適量を送り込むということが、一番大切なポイントだと思います。タイミングを見ていいときに思い切ったことを考えないと、極端には下がらないと思います。ただ、危険水域にはならないように、普段から努めておかなければならないと思います。
質問3  プロモーションのところで、やはりテレビの効果は非常に有効で爆発的な事はあるかと思いますが、御社の営業部としてテレビ局で取り上げてもらうために、ルーチンがあってその結果、その番組で取り上げられることが多いのかどうかというところを教えてください。
花立  テレビのパブリシティにおいては、編集者が本を作る上でプロモーションしなくちゃいけないというところが社内的にあるので、主には編集者がやっています。ただ営業マンは全国各地に定期的に営業に赴いているので地元のテレビ局に出向くことはあります。サイン会やイベントなどで全国行脚するときは、テレビ局に僕らが行って、著者を番組に出してもらえませんか、作品を番組で紹介してもらえませんか、というような活動はやっています。
寺川  本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。
以上
 
 

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